元のメルセンヌ・ツイスタを使った乱数ライブラリ(AVX2対応)

zmtrand.html : ライブラリ説明書
zmtrand.tgz : ライブラリ本体一式(Linux)
zmtrand.zip : ライブラリ本体一式(～Windows7)
zmtrand.iso : ライブラリ本体一式(Windows8～)
zmtrand.iso をダブルクリックしてマウントし、出現した zmtrand.zip を適当なフォルダにドラッグしてコピーします。その後、マイコンピュータ(PC)を開き、【DVD ドライブ(?:) ZMTRAND】を右クリックして【取り出し(J)】を実行してアンマウントします。 ('?:'は環境によって'D:'や'E:'や'F:'のように変わります。マイコンピュータ(PC)に【DVD ドライブ(?:) ZMTRAND】が表示されない場合は、 [F5]キーを押すか、右クリックして【最新の情報に更新(E)】実行してください。)

2021/10/10 に大幅な改良をして、かなり高速化しました。
マクロ AVX2 を定義してコンパイルすると、AVX2 を使った高速なプログラムができます。
16ビットコンパイラにも TDM-GCC-64 10.3.0 にも VC++2022 にも対応しています。

浮動小数点数に特化した乱数ライブラリ(SSE2対応)

zdsfmt.zip : ライブラリ本体一式
libZD.iso : エクセルのためのダイナミック・リンク・ライブラリ(ＤＬＬ)一式
32 ビット／ 64 ビットエクセルの両方に対応しています。
libZD.iso をダブルクリックしてマウントし、出現した libZD.zip を適当なフォルダにドラッグしてコピーします。その後、マイコンピュータ(PC)を開き、【DVD ドライブ(?:) LIBZD】を右クリックして【取り出し(J)】を実行してアンマウントします。 ('?:'は環境によって'D:'や'E:'や'F:'のように変わります。マイコンピュータ(PC)に【DVD ドライブ(?:) LIBZD】が表示されない場合は、 [F5]キーを押すか、右クリックして【最新の情報に更新(E)】実行してください。)

    32ビット整数の生成は他のに比べ少し遅くなりますが、浮動小数点数の生成はかなり高速です。

以下は最新のコンパイラで試していない過去のライブラリです。

ＳＦＭＴ：新しいメルセンヌ・ツイスタを使った乱数ライブラリ

sfmt.zip : ライブラリ一式

これには、Ｃ／Ｃ＋＋(zsfmt)、Ｃ＃、Java、Visual Basic が含まれます。
また、プログラムを自動作成するためのＣ言語ソースや、
それぞれに、結果の確認と実行時間計測するテストプログラムが含まれます。
独立した系列を３２個持っています。

XorShiftを使った乱数ライブラリ

xor.zip : ライブラリ一式

これにも、Ｃ／Ｃ＋＋(zxor)、Ｃ＃、Java、Visual Basic が含まれます。
それぞれに、結果の確認と実行時間計測するテストプログラムが含まれます。
関数名などはメルセンヌ・ツイスタと共通にしているため不自然になっています。
SSE2に対応していないCPUやコンパイラではSFMTよりも高速です。
基になったプログラムは以下のようにシンプルです。
http://www.jstatsoft.org/v08/i14/

unsigned long xor128(){
  static unsigned long x=123456789,y=362436069,z=521288629,w=88675123;
  unsigned long t;
  t=(x^(x<<11));x=y;y=z;z=w; return( w=(w^(w>>19))^(t^(t>>8)) );
}

参考資料：メルセンヌ・ツイスタ http://www.math.sci.hiroshima-u.ac.jp/~m-mat/MT/mt.html

参考文献：奥村晴彦著「Ｃ言語による最新アルゴリズム事典」1991 技術評論社

zmtrand、zsfmt、zdsfmt 共通の特徴は以下です。

関数名など、使い方はほとんど共通しています。
「参考資料」のプログラムと同じ乱数列が返ることを確認しました。
アルゴリズム事典に書かれていた様々な分布の乱数を使うことができます。
初期化せずにデフォルトの系列の乱数を呼び出すと、自動的に種１で初期化されます。
マクロ HAVE_SSE2 を定義すると、SSE2 を使った高速なプログラムができます。
Visual Studio 2002,2003,2005,VC++2008,gcc でコンパイルすると、CPU を自動判別し、SSE2 を有効／無効にします。
マクロ STABLE_SPEED を定義すると、平均速度は悪くなりますが、生成時間の最悪値を飛躍的に短くできます。ゲームなどリアルタイムなプログラムに向いています。
ｇ＋＋以外でＣ＋＋としてコンパイルすると、少し速くなります。
16/32/64bitのコンパイラでも同じ結果になります。
ビッグエンディアンマシンの場合、事前にマクロ BIG_E を定義する必要があります。
しかし、これに、手元に該当する環境がないため、動作確認はしていません。
マクロ MSEQ を２以上に設定し、～_m 関数を使うことにより、複数系列乱数を使えます。
系列の数を設定する MSEQ はメモリの許す限り、いくらでも大きくできます。
以前のバージョンとの互換性のために、状態構造体 state_t と、～_r 関数をを使っても複数系列を扱うことができます。
DeclMt(N) を使ってスタック領域に状態構造体を宣言することにより、～_r 関数を使ってマルチスレッドで安全な乱数を生成することができます。
０番目(デフォルト)以外の系列を初期化せずに呼び出すと、 -1 から順に種を減算させながら初期化されます。
MSEQ を使った複数系列の場合、６千桁以上ある全周期のうちの部分列が返ります。
実用上、部分列同士に相関関係が生じる可能性はほとんどないと思われます。
心配な人は zsfmt で MSEQ2 を設定してください。

zsfmt の特徴は以下です。

MSEQ の代わりに、MSEQ2 を使った複数の系列は互いに違うパラメータによって生成されます。
従って、系列が互いに相関を持つ可能性は MSEQ の場合よりも小さくなります。
MSEQ と MSEQ2 を使用上の大きな違いは初期化時の種の与え方です。
MSEQ の場合、～_m で違う番号を指定しても、同じ種で初期化すれば、同じ数列を返します。
一方 MSEQ2 の場合、同じ種で初期化しても、違う番号なら、独立した数列を返します。
系列の数を設定する MSEQ2 は最大 32 に制限されています。
MEXP を定義することにより、周期の長さを zsfmt は10種類から選べます。
メモリを節約したり、周期を長くしたりできます。
ただし、MSEQ2 を使うと6種類からしか選べません。
MSEQ2 を使うと、state_t や～_r を使うことができません。
MEXP,MSEQ,MSEQ2,HAVE_SSE2 の設定して分割コンパイルする時は、
全てのソースで同じ値にしてコンパイルするように注意して下さい。

その他の言語で書かれた Sfmt の特徴は以下です。

Sfmtクラスが基本クラスとなり、Sfmt1 ～ Sfmt31 クラスが派生クラスです
NextMt_m 関数など _m の付く関数は静的関数で、０～３１まで、系列を指定できます。

Sfmt で指定した MEXP に対する、乱数の周期の長さは以下の整数倍です。
zmtrand の周期は、4.31e6001 になります

  MEXP  保障された周期の長さ
   607    5.31e182
  1279    1.04e385
  2281    4.46e686
  4253   1.90e1280
 11213   2.81e3375
 19937   4.31e6001
 44497  8.54e13394
 86243  5.36e25961
132049  5.12e39750
216091  7.46e65049

主な関数の用途

InitMt(S)       整数の種Ｓによる初期化
InitMtEx(K,L)   長さＬの配列Ｋによる初期化
NextMt()        32ビット符号なし整数の乱数
NextUnif()      ０以上１未満の乱数(53bit精度)
NextInt(N)      ０以上Ｎ未満の整数乱数
NextIntEx(N)    丸め誤差のない０以上Ｎ未満の整数乱数

NextBit()              ０か１を返す(NextInt(2)の最高１０倍高速)
NextByte()             ０から２５５の値を返す
NextChisq(N)           自由度νのカイ２乗分布       p. 27
NextGamma(A)           パラメータＡのガンマ分布     p. 31
NextGeometric(P)       確率Ｐの幾何分布             p. 34
NextTriangle()         三角分布                     p. 89
NextExp()              平均１の指数分布             p.106
NextNormal()           標準正規分布(最大8.57σ)     p.133
NextUnitVect(V,N)      Ｎ次元のランダム単位ベクトル p.185
NextBinomial(N,P)      パラメータＮ,Ｐの２項分布    p.203
NextBinormal(R,&X,&Y)  相関係数Ｒの２変量正規分布   p.211
NextBeta(A,B)          パラメータＡ,Ｂのベータ分布  p.257
NextPower(N)           パラメータＮの累乗分布       p.305
NextLogistic()         ロジスティック分布           p.313
NextCauchy()           コーシー分布                 p.331
NextFDist(A,B)         自由度Ａ,ＢのＦ分布          p.344
NextPoisson(L)         平均λのポアソン分布         p.412
NextTDist(N)           自由度Ｎのｔ分布             p.430
NextWeibull(A)         パラメータαのワイブル分布   p.431

ほかの関数や、より詳細な使い方は、それぞれの言語のテストプログラムを読んでください。
一部の関数ではパラメータの受け取り方が言語により異なります。